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これだけ情報があふれている日本で
災害対策として「保存水」の重要性が理解できない人はいないと思います。
蛇口をひねれば飲める水が出る。というのは
様々な人、事が関わりあってはじめて実現されているものであり、
人や、事に問題が起きた場合、当たり前が
当たり前ではなくなる事を
テレビやインターネットで情報を得て私たちは知っています。
そして、その先いくつかのタイプに分かれると思うのですが、
情報があっても何も対策をしない人
(どうにかなると思っている人、何をしたらよいかわからない人、
何をしたらよいかわかっているのに行動できない人)
対策をしている人の中にも、いくつかのタイプがあると思います。
(想像だけで対策している人、より現実的な対策をしている人)
民間人のなかで、水に関してより実践的なノウハウを持っているのは
登山家、山暮らしの人、私のような農家であると思います。
水=命
を言う事を肌で毎日感じているわけですから。
ただ、この中にも似たようで全く違うタイプの人が存在します。
井戸水、沢水ならなんでも飲めるだろ という人と、
私のような浄水してから飲んだほうが良いと思っている人間です。
私の家には、かなりの深井戸が掘ってありますが水質を調べてみると
「飲料不可」でした。
綺麗に見えても水にはいろいろな有害物質が溶け込んでいます。
それを完全に除去するには、逆浸透膜式の浄水器を使用する他ありません。
高額なので簡単に買えるものでは無いのです。
緊急時にお前は井戸水を飲まないのか?
井戸水、沢水、なんでも飲める人には馬鹿にされてしまうと思いますが、
出来るだけ飲まないようにするというのが私の考えです。
ゆくゆくは逆浸透膜式の携帯型浄水器を購入するつもりではいますが、
現状で費用対効果が高い災害時の飲料水確保方法は
ペットボトル水の備蓄とその水の保存期限切れの対策として
飲めるゾウ ミニのような簡易浄水器を用意する事です。
飲めるゾウ ミニは
「期限切れのペットボトルの水」を安全な飲料水にすることが可能です。
私としては、現実的(実用的)な簡易浄水器の役目は
いつ購入したペットボトルの水でも飲めるようにしてしまう事なのだと思っています。
確かに、浄水器によってはため池や河川水、風呂の残り水が
飲めるようになるスペックは持っていますが、
貴重な中空糸膜フィルターを詰まらせてまで無理して汚い水を
「飲料水」にしなくても良いと考えます。
私が実践している災害時の水対策としては、
日常的な飲料水としてウォーターサーバーの導入
(予備も数本購入しローリングストック)
同様にペットボトル水の備蓄。
簡易浄水器があるので期限管理もそこまでシビアにやらない。
飲料水とは別に
生活用水として井戸水の貯水。
ここで重要なのは、何か特別な事をしない事、
つまり日常の中に防災があるという事です。
普段やらない事をするというのは、様々なリスクを生み出します。
防災セットを購入したからと安心するのではなく、
日常の中に防災を意識した生活を取り入れるというのが
私が提案したい新しい防災の考え方です。
キャンプでも良いのですが、夜自宅で
ACコンセントや室内照明、水道、据え置きのコンロなどを使わず
家族で夕飯を楽しんでも良いと思います。
必要な道具、あったら便利な道具はそういう実践から生まれます。
誰かの提案した防災道具が自分の生活スタイルに合っているとは限りません。
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飲めるゾウ ミニは 加圧型の簡易浄水器です。
私は災害時の飲料水確保において
浄水器が登山用のようにコンパクトである必要がないと思っています。
むしろ据え置き型のほうが使いやすいのではないかと。
購入前、この商品は私の考える「移動式簡易水道」としてベストであると感じていました。
原水を入れ、加圧し、蛇口をひねる。
老若男女誰でも扱えますし操作を間違いようのない構造。
オレンジのタンクは飲み水だからね と言っておけば
他の生活用水のタンクとも区別が出来ます。
防災用品は誰でも扱えるというのが第一条件です。
例によって、仕事で普段から使用できるように
シャワーヘッドも購入しました。
(フィルターを付けなければ、普通の水タンク、シャワーとして使える構造だったため)
しかし、これは正直自分の用途にはあっていませんでした。
浄水器としては理想の商品でしたが、
1つ日常使用で決定的に必要な物が付いていなかったのです。
なんだかわかりますか?
片手で持てるハンドルです。
毎日車からの荷下ろしをしていると、一回でどれだけ道具を運べるかが
重要になります。私だけかもしれませんが。
毎日の事だとこういう所が気になって仕方ありません。
現場ではオマケみたいなシャワーの為に両手を使って荷積みをしなくてはならない。
水道から水を入れる時、本体を持ったまま蛇口をひねれない。
日常使いは諦め、本来の防災用として保管しておくことにしました。
もう一つ、カタログスペック上にはない
使用する上で気になる点があったので報告しておきます。
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構造に注目していただきたいのですが、
浄水フィルターはコック部分から水平にタンク内部に繋がっています。
どういうことかというと、水の取り入れ口がタンクの最底辺部ではないため
どうしてもタンク内部の水を「使い切る」事が出来ません。
最後の一滴まで水を欲するような極限状態で使用する道具ではないと言えます。
シャワーも十分実用的ですが(けがの傷口洗浄に有効)
使用水量が多いので(これでも普通のシャワーよりは節水仕様だと思います)
貴重な浄水がもったいなく感じるのも事実です。
とはいっても、大家族 自治体
ある程度人が多い場所ではかなり重要な道具になる事は間違いありません。
オレンジから出る水は飲めるきれいな水だよ。
パニック状態になり統率のとりにくい現場で
「色分け」をして、物事を徹底させる事は
非常に有効的な手段であると思います。
ちなみに、民間以外で徹底的に実践的に行動できるのは
自衛隊でしょう。
すべての行動に理由、意味、方法があり
極限状態での統率、判断力が民間の我々とは
別次元のものであると考えます。
話は変わりますが
私が火災現場に居合わせた時、警察の交通誘導を目の当たりにしましたが
非常にお粗末な物でした。
たまたま「出来ない人たち」だったのかもしれませんが、
ガス爆発の可能性がある袋小路になってしまった火災現場に
客が大勢乗っている大型路線バスを誘導。
連携が全く取れていないので
他の車両が十字路に流れ込み、完全ロック状態。
消防車のホース接続部分を、ちょうど通過させるラインで車を通行させるため
ホースをズる。擦りつける。破損の可能性を増やす。
そのホース、頼みの綱なんですけれども。
1件の火災でこれじゃ
大震災になったら、どうなってしまうのか。
都市型災害に巻き込まれたら
消防、救急、警察はあてにできないと考えておいたほうが良いです。
彼らがいくら頑張っても、許容量をはるかに超えた災害では
1人1人にかまっていられません。
自分の事は自分で。です。
せめて家族の事は一家の大黒柱が
守ってあげるべきではないでしょうか。
一緒にいられなくても
備えや、知識を与える事が
家族を守る事の一つだと思います。
子供やお年寄りが
オレンジのタンクから迷うことなく、安全な水を飲んでいる情景が
私の目に浮かびます。
次回予告
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こんなのや
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こんなのもあるんだけど
何を記事にしようか。