私は、ボランティア精神がすべての善だとは思わない。
まず、ここで多くの人の共感を得る事は難しいかと思うのだが、、、
道具を使う仕事をしていると、災害現場にこの技術があったら
かなり役立つのではないか、絶対安全に作業が出来るだろう、という事が色々思いつく。
特にミニショベルは、実際過去の災害現場でも大活躍しているようだし
普段仕事で使用していれば重機が災害現場で役に立つことは「当たり前」だと認識出来る。
大震災が起きた時に、警察や救急車、救急隊が自分の所へやって来てくれるとは
思わないほうがいい。
この材木さえどけられれば、人を助けることが出来る。
このブロックの塊さえどけられれば、人の行き来が出来る、車両が通れる。
そんな時頼れるのは、実は近所の土建屋のおっちゃんだったりするわけだ。
大震災は平時とは全く状況が異なるので、
例えば災害救助のスペシャリストがいても100キロ、200キロ、現場との距離があれば
その能力は全く発揮できない。
という事は、近所のおじさんが救助のスペシャリストになるのが一番効率が良いという事になる。
一番、実用的な災害時のおじさんシステムであるのだが、
国が主導するとなると数々の問題点が出てくる。
ボランティアなのか、仕事なのか
安全性、技術の均一化が図れているのか
仕事だった場合、対価はどのように支払われるのか
大震災の混乱時、まさか請求書や領収書を発行するわけにはいくまい。
そこですべて解決する方法を思いついた。
技術とは対価であるので、私は何が何でもボランティアで行うという事には
反対だ。
技術を得るまでには、それなりに金や時間を使ってきたはずであるし
自分のやってきた事に、誇りや自信を持つ事はレベルの大小問わず大事な事である。
ただ、人の命を預かる以上それぞれが自分勝手な方法で
救助を行うのは危険だし、何かしらの対策が必要になる。
こうしてはどうだろうか。
国が震災対策の中に
震災時初期対応のスペシャリスト育成予算を組み、
各事業者は、各得意分野の資格免許を取る。
それぞれの資格、免許区分に応じて定期的に実地訓練を行い
相応の報酬を得る。
つまり平常時の実地訓練が仕事という事。
訓練を多く行う=技術レベルが上がる=報酬が入る=被災時に多くの人を助けることが出来る
国家単位で考えるとなると
シンプルにいかなくなることが非常にもどかしいけれど
人を助けるための技術には価値があるという事に
救助を行う側、される側、日本という震災大国を主導している
偉い方々に認識をしていただきたい。
医療関係に従事されている方、土建業、食品店、
電気、ガス、水道、生活ラインのスペシャリスト。
本業とは別に、副業として災害発生時は救急対応のスペシャリストになる。
これは、理にかなっていると確信している。
大震災がやってくるのはわかっているのだから、気が付いた人からどんどん声を上げないと。
規模が大きければ大きいほど、初期レスキューの(国で認められた)人材は足りなくなる。
時と場所よっては、血のにじむような訓練を積んだ、国家公務員のレスキュー隊よりも
ミニショベルを操縦できるおじさんとミニショベルのほうが役に立つ場合もあるという「現実」を知らないと
いつになっても、大震災の現場は人手不足だ。
余談だが、今火災現場の片づけを手伝っている。詳しくは書けないが
大きな動物の死体が今もまだそのままの状態だ。
こんなの人の手じゃどうしようもできない。我々にしかできない仕事があるという事を思い知った。
当たり前のような自分達の日常でも、他の人から見れば簡単にはできない仕事なのだ。
同業同士が仕事のレベルについてバカにしあうのは馬鹿らしい。
各自、自分なりの自信と目標があればそれでいいじゃないか。