お寺の樹木メンテナンス。
伐採に近い高木剪定作業に
STIHLの36Vバッテリーチェンソー
MSA200C 一本で挑んできました。
私は元々農家です。
だからなのかもしれませんが、
いまだに「日当」という
仕事に対する対価の考え方に慣れることが出来ません。
例えば農業において、得られる対価とは
「結果」であり、よほど企業化された農家でない限り
「過程」の段階、ましてや作業したその日にすぐ
収入、利益を得る、等という事は不可能な事なのです。
もちろん見積もりの参考にはしますが、
農業以外の新規事業においても
人数×日当 という計算はしません。
この結果を出しますから、
この金額でいかがでしょうか?
というのが私の見積もりです。
バッテリーチェンソーを使うといった時点で
こいつらは仕事にならないと判断する同業者は多いでしょう。
それは、道具に「スピード」のみを求めているからではないでしょうか。
確かに作業スピードや能力はエンジンチェンソーに劣りますが、
私はバッテリーチェンソーと
ロープワーク伐採との相性がとても良いと考えています。
クライマーとグランドワーカーの意思疎通が
エンジン音に邪魔されず行えるからです。
それと近隣住民に騒音ストレスを与えることなく仕事が完了するのは
都市部において、大きなメリットであることを実感しています。
残念ながら、今のバッテリーチェンソーで対応できる枝径は
ゼノアの「こがる」で対応可能な位のものですし
さすがに私でも大径木の伐倒にバッテリーチェンソー、とは言いませんが
高木のメンテナンスや枝下ろしくらいなら
十分仕事として対応可能であると私は考えます。
公園、病院、騒音クレーマーのいる現場
静音樹木メンテナンスは、都市部において全く意味のない考え方だとは思いません。
特に環境保護に対して敏感にならざるを得ない
大手造園会社においては、そのような特殊樹木メンテナンスチームがあっても
良いのではないでしょうか?
と、思って
超大手造園会社の所長に売り込んでみましたが
反応はあっても、なかなか実際の仕事にはつながらず。
まずは現場で実績作りという事で、
今回バッテリーチェンソー一本で仕事をしてきたわけです。
でやってみた感想は、いける。
お寺の高木メンテナンスは定期的に頂けるみたいなので
全部静音スタイルでやろうと考えてます。
何事にも過程があって結果があるわけで。
実績になるし、
見てる人は見てるからね。
ただし、STIHL MSA200の作りこみは
完全プロ向けというより
どちらかというとカジュアルユーザー寄りであるし、
小さなソーチェンはその繊細な切れ味と引き換えに
ヤスリをかける回数も多い。
細かい切りカスがチェーンスプロケット周りに
どんどんたまってしまう
(今の所抵抗で回転が止まるようなことはないけれど)
万能な道具はない、というのが自分の
考えではあるけれど
バッテリーチェンソーはまだまだ
業務用途向けには進化する必要があるし、
進化する伸びしろがあると考えます。
MSA200並みのトルク感のある
バッテリートップハンドルチェンソー、
あったら重宝するな。
一般的な家庭にある植木なら
もうエンジンチェンソーは必要ないというのが
自分の実感です。
反対に、山林での伐倒や大径木、郊外での伐採には
バッテリーチェンソーを選択するメリットがこれからしばらく先
生まれることなないでしょう。
エンジンにはエンジンの良さ
バッテリーにはバッテリーの良さがありますから。